2019年 多治見るこみち イングリッシュ・ガイドツアー
様々なタイルの世界
About the programs
「多治見るこみち」は多治見在住の方々がガイド・パートナーになり、町を紹介する新しいプログラムです。10月10日(木)から12月22日(日)の期間、多治見市ならではのユニークな体験プログラムを多治見市各地で開催します。この記事では、多治見市笠原町にあるモザイクタイルミュージアムの見学、ミュージアムでのワークショップと2箇所のタイル工場見学ができる「ワールド・オブ・タイル」ツアーををご紹介します。このプログラムは2019年10月23日開催です。
今と昔を繋ぐタイル
私たちがこの記事のため、笠原町のタイルツアーを体験したのは9月の暑い日のことでした。このツアーは2箇所のタイル工場見学が含まれ、最近人気が高いモザイクタイルミュージアムの見学、ワークショップで締めくくります。ミュージアム見学はポップで綺麗な視覚的体験ができますが、実際のタイル製造工場に移動すると、そういったイメージと全く違うタイルの世界を知ることができるでしょう。この地域に古くから受け継がれてきた陶磁器は、様々な世代の人々を魅了しています。タイルにはロマンを掻き立てられるイメージは少ないかもしれませんが、この地域の他の焼物(志野焼、織部焼など)と同じくらい創造性を刺激する素材です。「タイルは最も古い形の装飾芸術の一つで、その歴史は建物を青いタイルで装飾したメソポタミア人、釉薬をかけたレンガを使用したエジプト人にまで遡ります。(中略) 現在ではタイルの材料、用途、パターン、デザインは幅広く拡大しています。」とエリック・ボールドウィンはアーキタイザー紙に書いています。
おそらく、タイルの持つ創造性と日常生活への直接的な繋がりがとても面白い部分でしょう。以前の記事でも述べましたが、笠原町は昔から日本を代表するタイル生産地です。80年台のバブル経済最盛期には、タイルが大規模な工場で大量生産され、この町に大きな富をもたらしました。そういった工場のいくつかはまだ残っており、また規模を小さくした工場も頑張っています。今回新しく紹介するツアーには興味深い2箇所のタイル工場見学が含まれています。まず最初に立ち寄ったのは丸万商会です。
超高速なモザイクタイル職人
体験できること
モザイクタイルの貼り場を見学し、その後お好きなデザインのモザイクタイル制作体験ができます。この体験は約1時間です。この貼り場で作られているように、モザイクタイル を配置したタイルの上に網を付け乾燥させ、翌日のお渡しになります。(郵送も可能です。)また、制作したタイルは木のフレームに取り付けられます。モザイクタイルは一つ一つが小さいため、複雑な柄やデザインを簡単に作成できますよ。これまでの参加者のみなさんもとても創造的な作品ができたそうです。
丸万商会の社長である古田由香里さんは笑顔と楽しいお話で私たちを工場に迎えてくれました。その工場で働く方々(古田さんは彼女たちのことを職人と呼びます。)は非常に熟練した技術をもち、またその仕事も手際がよく、スピーディでした。手作業で小さなタイルを枠にはめ込み、指定されたデザインでタイルを組み合わせます。その後、そのデザインのまま壁などに貼れるよう網を付け、枠から外します。古田さんによると、「パターンのカラーバランスを指定したオーダーを受けます。職人は一つ一つ作りながらカラーバランスを調節していくんですよ。」と説明してくれました。
これが私が彼女たちを職人を呼ぶ理由です。例えば、緑90%とシルバー10%の色の組み合わせの注文がきたとしますよね。そうすると職人たちはその組み合わせを元に、それぞれのシートをランダムに作っていきます。ランダムといっても美しい見た目に作り上げ、同時に欠陥のあるタイルを除いて、高速で作業していきます。使われるタイルは小さくいため機械ではこういった処理ができないんですよ。」
タイル市場での競争は激しいようです。そういった市場においてタイルの違いはなんでしょうか?「簡単に言えば、日本のタイルは世界のタイル市場の中では中間層に位置しています。例えば日本のものは中国で大量生産されるものより高価で高品質ですが、イタリアなどで作られているものほど凝ったものではなく、手頃な価格なんです。」と古田社長は言います。これは自動車市場でも同じように感じられます。日本車は信頼性も品質も高いのですが、飛び抜けて高級品ではなく、市場にはたくさん輸出されています。一方、フェラーリのような超高級車、中国車やインド車のような超安価な車もそれぞれの市場があります。
私たちの生きている現代は変化の激しい時代です。技術開発の目覚ましい進歩により、3Dプリントでタイルを作ることも可能になりました。こういった進化により、様々な新しい可能性が開かれますが、デジタルな制作方法ではより機械的な製品のなる傾向があります。対照的に人間の手作業が入り、洗練された日本の製品には違いが生まれるのでしょう。
私たちの生きている現代は変化の激しい時代です。技術開発の目覚ましい進歩により、3Dプリントでタイルを作ることも可能になりました。こういった進化により、様々な新しい可能性が開かれますが、デジタルな制作方法ではより機械的な製品のなる傾向があります。対照的に人間の手作業が入り、洗練された日本の製品には違いが生まれるのでしょう。
「これを見てください。」と古田社長は言い、日本の焼物を思い起こさせるような素晴らしいタイルで作られたタイルシートを持ってきました。その表面は伝統的な抹茶茶碗のように無骨で、キレイに光を反射し、それぞれ違う面持ちを持っています。彼女はそれを指差し、「これはそれぞれ違うでしょう?これは海外で最近使われている3Dプリントとは違う作りなんですよ。これらがアメリカの見本市で外国製品と並んで展示された時、海外の人たちの反応を見てきましたよ。そうしたら『他のとはちょっと違いますね。味があるタイルですね!』という声を聞きました。それはタイル一つ一つに違いがあるからでしょうね。」
手作業の工場から自動化された工場へ
体験できること
大規模なタイル工場見学の後、素焼きされたタイルにお好きなデザインを彫り、オリジナルのタイル制作体験をします。デザインを彫ったタイルは釉薬をかけて焼き上げた後、郵送にてお届けします。丸万商会での手作業の工場と、杉浦製陶所での近代化された工場を両方見学することで、タイルの新しい魅力に出会えるでしょう。機械化されたタイル工場で製造されるタイルには別の美しさがあることが分かります。こちらの見学、体験の所要時間は2時間です。
次の目的地は大手タイルメーカーの杉浦製陶株式会社です。営業部の東さんに案内していただきました。ここの工場は全く別の世界へ足を踏み入れてしまったような感じがしましたよ。私たちは所狭しと並ぶたくさんの機械と青い箱に入った製品で埋め尽くされた工場に案内されました。それはまるで未来の異世界の世界を描いたSF映画のブレード・ランナーのシーンのようでした。しかしながらここは映画とは違い、美しく素敵なタイルが作られる場所だったのですけれどね。
機械からガチャンガチャンと流れてくる大きな音をバックに、工場内を歩き回りながら説明を受けました。奥の方まで歩いていくと、4つの生産ラインの一つの入り口にたどり着きました。「ここがタイル製造のスタートになります。タイルの原料になるのはこの粉末なんですよ。」と東さんは大きな容器を指差しながら言い、機械に沿って歩きながら製造プロセスを段階的に説明してくれました。最初に訪れた丸万商会では職人たちの手作業の工程が分かりましたが、ここでは対照的に全てが自動化されていました。今回の見学を体験したイギリス人の友達は多治見に移住したばかりですが、この機械化された工場にたいそう驚いたんですよ。彼はVRデザイナーであり、ゲーマーでもあるので、この工場の夥しい数の機械や雰囲気がとても面白く感じたようです。そういったゲームや映画の世界にはこの工場の感じが実際に描かれてるんですよ。でもここで全て話してしまったら、皆さんがツアーに参加した時の面白さが薄れてしまうので、これくらいにしておきましょう。
この驚くようなな工場見学の後、会社のメインオフィスとショールームのある建物に戻りました。そこは様々な形のあらゆるタイルでふんだんに装飾されています。タイルは古くからある装飾芸術の一形式ですが、それは日常生活の一部であるというエリック・ボールドウィンの言葉を思い起こさせました。そこに飾られているタイルはどれも繊細で驚くほど美しいものでした。ショールームでは様々なタイルの型がよく分かるようにテーブルいっぱいに広げられており、また別のテーブルにはたくさんの色やパターンが選択できるようにもなっています。ここでツアー参加者は素焼きのタイルにオリジナルのデザインを彫る体験ができ、その後、釉薬をかけて焼き上げてくれます。
終点:モザイクタイルミュージアム
ここまでの2つの工場見学の後、モザイクタイルミュージアム見学に移ります。こちらは学芸員の村山さんがご案内します。見学前に以前の記事「タイルキングダム笠原」を読んでいただくと、より美術館見学を楽しめるでしょう。
このプログラムの予約方法と詳細について
日時:2019年10月23日 10:00〜14:30
場所:〒507−0901岐阜県多治見市笠原町2082−5
多治見モザイクタイル ミュージアムその他
参加料金:500円
参加人数:10名まで
予約:eメール [email protected] / 電話 0572−43−5101
問合せ先:多治見モザイクタイル ミュージアム
(営業時間9:00〜17:00 休館日:月曜日)
担当:村山
場所:〒507−0901岐阜県多治見市笠原町2082−5
多治見モザイクタイル ミュージアムその他
参加料金:500円
参加人数:10名まで
予約:eメール [email protected] / 電話 0572−43−5101
問合せ先:多治見モザイクタイル ミュージアム
(営業時間9:00〜17:00 休館日:月曜日)
担当:村山
その他の多治見るこみちイングリッシュ・ガイドツアーについて
英語プログラムの予約、お問合せは各プログラム窓口にeメールまたは電話で直接行ってください。各プログラムの詳細につきましてはパンフレットをダウンロードしてください。
tours
オリジナルの食器を作ろう
転写シートを使って、オリジナルの器を作ります。またこのツアーには製造プロセスの見学も含みます。正午までに制作体験した作品は同じ日にお引き取りいただけます。
日時:多治見るこみち期間内の毎週水曜日 10:00〜12:00
予約:eメール [email protected] / 電話 0572−22−3810
問合せ先:丸モ高木陶器株式会社(営業時間9:15〜17:15 土日祝は休み)
担当:石津
パンフレットのダウンロードはこちらから
オリジナルの陶器のキャンドルホルダーを作ろう
市之倉さかづき美術館見学のあと、長さ12cmの円柱状の粘土を彫って、お好きなデザインのキャンドルホルダーの制作体験をします。初心者の方にも丁寧にお教えします。
日時:2019年10月10日〜12月22日 10:00〜12:00
予約:eメール [email protected] / 電話 0572ー22−0509
問合せ先:幸兵衛窯作陶館(営業時間10:00〜17:00)
担当:伊藤
パンフレットのダウンロードはこちらから
まるで遊園地なマグカップ専門工場!
フリーカーブでカップを運ぶゴンドラ。高速の機械式ろくろ、1320℃で焼き上げる巨大な焼き窯、300種類以上もあるカップ&ソーサーなど常に同じで高品質の商品をつくる「量産」の凄さを体感できます。スペシャルカップのお土産付きです!
日時:2019年9月16日、10月14日、11月4日(9:15〜11:45)
予約:eメール [email protected] / 電話 0572−22−8287
問合せ先:丸朝製陶株式会社(営業時間9:00〜16:45)
担当:山本
パンフレットのダウンロードはこちらから
転写シートを使って、オリジナルの器を作ります。またこのツアーには製造プロセスの見学も含みます。正午までに制作体験した作品は同じ日にお引き取りいただけます。
日時:多治見るこみち期間内の毎週水曜日 10:00〜12:00
予約:eメール [email protected] / 電話 0572−22−3810
問合せ先:丸モ高木陶器株式会社(営業時間9:15〜17:15 土日祝は休み)
担当:石津
パンフレットのダウンロードはこちらから
オリジナルの陶器のキャンドルホルダーを作ろう
市之倉さかづき美術館見学のあと、長さ12cmの円柱状の粘土を彫って、お好きなデザインのキャンドルホルダーの制作体験をします。初心者の方にも丁寧にお教えします。
日時:2019年10月10日〜12月22日 10:00〜12:00
予約:eメール [email protected] / 電話 0572ー22−0509
問合せ先:幸兵衛窯作陶館(営業時間10:00〜17:00)
担当:伊藤
パンフレットのダウンロードはこちらから
まるで遊園地なマグカップ専門工場!
フリーカーブでカップを運ぶゴンドラ。高速の機械式ろくろ、1320℃で焼き上げる巨大な焼き窯、300種類以上もあるカップ&ソーサーなど常に同じで高品質の商品をつくる「量産」の凄さを体感できます。スペシャルカップのお土産付きです!
日時:2019年9月16日、10月14日、11月4日(9:15〜11:45)
予約:eメール [email protected] / 電話 0572−22−8287
問合せ先:丸朝製陶株式会社(営業時間9:00〜16:45)
担当:山本
パンフレットのダウンロードはこちらから
General program office
Tajimi Tourism Association (Tajimiru-komichi Office)
Tajimi Hinode-cho 2-15/ Ms Muto, Ms Hibino
Email: [email protected]
Tel: 0572-51-8156 (08:30 - 17:00/Closed on Saturdays and Sundays)
Tajimi Tourism Association (Tajimiru-komichi Office)
Tajimi Hinode-cho 2-15/ Ms Muto, Ms Hibino
Email: [email protected]
Tel: 0572-51-8156 (08:30 - 17:00/Closed on Saturdays and Sundays)