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陶祖

謎めいた名工が遺したもの

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「1901年6月、多治見に新設された駅に、仙台から巨大な石が到着しました。その石を手押し車に乗せ、括り付けられたロープを大勢の市民で引っ張り、現在陶祖碑が祀られている平野公園まで急な坂を運びました。」

​日本の歴史を振り返ると、混乱や戦争の時代も、平和な時代も、人々は権力や富を求めて、あるいは純粋に生き延びるために闘ってきました。これは他の国においても同じでしょう。それでもその場所場所において違いはあり、その違いを知るのは興味深い部分だと思っています。こういった歴史文献に登場するのは、ほとんどが権力もしくは富、あるいはその両方を持った男性で、まれに女帝、あるいは権力者の配偶者、側室などの女性が登場します。そういった人物以外で歴史文献の中では忘れられ、消えてしまっていても、確かにその流れを変えた庶民がたくさんいたはずです。私たちの地域(古くは美濃と呼ばれていました。)では、陶祖と言われている人物がいますが、その人こそそういった庶民の一人でしょう。多治見の町では、彼を偲んでいくつかのお祭りが行われており、今でも彼の影がちらほらと見え隠れしています。

多治見はその昔美濃の国と呼ばれた地域にあり、ここで採れる豊かな土によって、何世紀にも渡って陶磁器(美濃焼)が生産されてきた事で広く知られています。日本では固有の宗教は神道で、また仏教の拠点の一つでもありますが、代々多治見に住む多くの人々にとって陶祖は心の中に息づいているものだと僕は感じています。この伝説の陶工は、ある意味で、かつて実在したと信じられている神道の神たちの伝説に似ています。しかし、何世紀にもわたって陶工たちや窯元の生活を守るために、これほど重要な役割を果たしてきた名もなき神はいないでしょう。その理由はもちろん神と違い、彼には名前があり確かに実在していたからです。この記事ではその重要な事実に迫ってみたいと思います。

この人物の功績をたたえ、この地域にはいくつかの陶祖の記念碑が点在していますが、陶祖というのはこの地域で初めて窯を建てた陶工たちの通称であるということが分かりました。おそらくその先駆者たちの中でも一番有名なのは、加藤景光(1513年-1585年)でしょう。近隣の瀬戸での内戦から逃れたあと、1574年に美濃地方に定住した景光は、当時の日本で最も有力な武将であった織田信長(1534年-1582年)に庇護されました。

そして数百年後の1902年、多治見の平野町に景光を称える記念碑が建てられ、美濃陶祖となりました。しかし、これから述べるように、これは先駆者の威光を称えるためだけのものではありませんでした。陶祖は美濃の陶磁器産業を通して、もう一つ重要な役割を担っていきました。

​

信長の時代

信長の時代、日本は天下統一を狙う戦さがあちこちで勃発していました。武将たちは信長の支配下で経済的、文化的発展のためのプロジェクトに乗り出していました。信長はその計画を実現するために凄惨な戦さを仕掛けていました。

逆説的ですが、一介の職人である景光が、この時代の権力ゲームにおいてチェスのポーンのような重要な駒となりました。これはどういうことでしょうか?信長は焼物の重要性をよく知っていました。茶道具は、支配者層の者たちの重要なコミュニケーションの場である茶室において、最高のステータスシンボルでした。高価で景色のいい(美しい)茶碗は権力と富を示すものであり、それゆえ、象徴的にも、また人々に一方的に影響を与える贈り物として有用だったのです。

Oda Nobunaga-Portrait by Giovanni NIcolao
山形県天童市三法寺が所有する「織田信長」の肖像画の写し。 絵は宣教師(ジョバンニ・ニコラオ)が描いたと言われていますが、作者は不明です

信長は敵対する者を容赦なく弾圧する一方で、文化がもたらす価値について、国を統べるための重要な要素であるとみなしていました。彼は茶道を熱心に学び、その当時最高だと考えられていた中国の茶碗をこよなく愛していました。

ORIBE美術館の西村克也館長は「織田信長は中国(世界)に勝る美術茶陶を日本(美濃)で生み出すため、陶器産業の育成と保護政策を断行したのではないかと考えられます。…(中略)…織田信長は中国(世界)に勝る美術茶陶を日本(美濃)で生み出すため、陶器産業の育成と保護政策を断行したのではないかと考えられます。このような日本版官窯の発想を実行したのは、織田信長が日本では最初の人物ではないかと思います。」と述べています。これは当時の日本の最高権力者であった織田信長と、その後継者の豊臣秀吉によって定められた国策であり、窯は地元の領主によってしっかりと管理するというものでした(1)。

ではどうしてこのことが重要だったのでしょう?第一にエリートの武士たちが求めた見事な茶道具は、市場が非常に限られていました。地元の有力者が所有する窯は、その人たちからの注文があります。例外的に名工は他の人に自由に売ることもできたとも言われていますが・・・。第二にまた、財力のある人は、庶民とは違って、窯を作る権利を持っていました。おそらく、陶工にとっては最も重要なことは、許可を得ることでした。これは先ほどからテーマに掲げている陶祖についても当てはまります。

信長はこの第二の点をよく理解していました。そのため彼は日本で初めて窯印(陶工の印)を発行し、瀬戸の6人の陶工たちに与えました。「これは陶工を『職人』と『芸術家』に区別したことで織田信長の天才的なところだと思います。現在の人間国宝、文化勲章保持者の原点になるものです。」と前述の西村氏が述べています(1)。

信長はまた技術に価値を見出していました。彼は景光を庇護し、美濃に窯を建てる許可を出しました。こうして景光は、現在日本でも有数の古典的スタイルとみなされている焼物をこの地にもたらしたきっかけになったのです。

このように焼物の生産には陶工たちは許可が必要で、このことは日本の陶磁史を通して重要な事柄でした。景光の場合、窯はその地域を治めていた妻木城主の管轄でした。妻木城跡は眼下に広がる平野を抱きながら、現在も城山山頂に静かに佇んでいます。山頂への急な山道の中腹に、表面にステッチのような穴の列が彫られている大きな岩があります。これは巨大な岩を城壁を作るため、細かく切ろうとしたようですが、途中で諦めてしまった跡です。この光景は、当時の支配階級のために労働者がいかに過酷な労働を強いられていたかを物語っています。窯で働く者たちも蒸し暑い夏や寒く厳しい冬の中も、過酷な労働に耐えていたことでしょう。

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信長が加藤景光に発行した朱印状の写真。 多治見市教育委員会提供。
信長が発行した朱印状には、景光とそこで働く陶工たちが朱印状で認められた窯でのみ働くことができると書かれています。彼らは窯を別の場所に移すことは許可されていませんでした。そしてこの制約は現実的ではありませんでした。当時の窯は薪を大量に消費したので、やがて窯の周りの木はすべて伐採されてしまうからです。しかし。この朱印状は後世にその効力を発揮することになったのです。それは景光の死後も、先祖代々に受け継がれていきました。

信長の後継者である豊臣秀吉は陶工や茶人を庇護し続けました。特に、茶人の千利休は茶道(わび茶)を完成させ、今日まで続く伝統を確立しました。秀吉が1598年9月18日に病気で亡くなった後、天下分け目の大いくさがあり、1603年3月24日に江戸(現在の東京)に徳川幕府が開かれ、ついに天下統一が実現しました。そして焼物の生産拠点も瀬戸から美濃に移っていったのです。景光の孫である景増は1641年に現在の多治見の平野町に移りました。そこで信長の朱印状を手に、新しい窯を築いたのです。その朱印状は代々受け継がれていきました。徳川幕府の設立はこの後2世紀続く平和で安定した新時代の幕開けであり、よってそれまでの高価な茶器は重要ではなくなり、安価な日用品を求める大衆市場の需要に合わせた生産が始まったのでした。
​

江戸時代における陶祖

美濃の陶祖、景光は遠い昔に亡くなっていましたが、その時でもなお、この地域ではその存在感を保っていました。17世紀半ばになると新しい窯が多く建てられ、競争は激化していきました。そこで徳川幕府は窯の新設を禁止しました。そのため陶工たちは焼物の生産者としての権利を主張しなくてはいけなくなったのです。窯の改革が行われるたびに、多くの文書と口頭での証明が必要となりました。この際、景光以降の子孫たちは、自分たちの窯の創始者である景光の名前を利用したのです。彼の子孫であることが証明できれば、窯の仕事を続けることができます。信長の朱印状も依然として威光を放っていました。信長は新時代の初代将軍である徳川家康と同盟を結ぶ中でもあったからです。

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登窯で働く窯焼(焼成専門の職人)たちの様子。登窯は同時に大量の陶器を焼くことが出来るので、江戸時代に普及しました。
幕末に向けて、いかに陶祖の名前が重要になっていったかは、1800年代に文献にも書かれています。ここ多治見の僕の家の裏に流れる小川の向こうには、徳利を作るのに非常に適した土が採れる高田町があります。その土は、その性質上、焼物にすると液体が漏れないのです。日本酒を入れる「高田徳利」は100万人の都市に成長していた江戸で大いに売れました。この時、加藤東三郎という人が高田の窯の仲買をし、高田徳利に日本酒を入れ、江戸の買い手に大量に売ったという記録が残っています。

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多治見の陶工がろくろで徳利を作っている様子。
この時江戸幕府は衰退し始めており、幕府が制定した窯株制度も崩壊し始めました。そのころ登り窯の普及により陶器は大量生産されるようになり、その市場は急速に成長してたのです。そこに窯株制度の弱体化も重なり、至る所に新しい窯が出現し始めました。加藤東三郎はもはや事業を独占することが出来なくなり、この展開に頭を抱えていました。そこで、彼は28両もの大金を費やして窯の権利の証明書を作りました。幕府にその文書を提出し、新しく窯の建設の禁止を要請しましたが、効果はありませんでした。それからわずか数年後の1872年、江戸幕府の崩壊と共に窯株制度も廃止されました。

新しい時代になって

1868年の明治維新と新政府設立により、新しい窯が急激に増え、生産販売が自由化されました。そこで同業者組合もいくつか出来、その中でも中心的組織として美濃陶磁業組合 が設立されました。商人たちは江戸時代では形式的には下層階級とみなされていましたが、長い安定した時代の中でその数が増え、徐々に力をつけてきていました。結局のところお金はパワーです。彼らは、「仕送り窯」といい、商人が資金力のない窯屋へ原料・燃料・生活物資等を貸し付け、製品納入の際に利子をつけて差し引くという生産者と陶器商の関係性を作り上げていました。

時は経ち、日露戦争によって再び時代が変わりました。これにより、陶磁器をはじめとする日本の輸出品が大幅に増加しました。意外なことに、多治見の陶磁器産業にとって、この成長は頭の痛い問題となりました。商人たちはより利益を得られるそれまでの方法を失いそうな状況だったのです。多治見の中心部には陶磁器卸売業者が集中しており、近隣の土岐郡などの窯の問屋でした。しかし職人たち製造業者からは、卸売業者は不必要ではないかという声が高まっていたのです。卸売業者との「仕送り窯」制度がなくなれば、より利益を手にすることが出来ます。その時の多治見は、他の地域への流通の要でした。鉄道の駅が新しくできたばかりで、物資の輸送の促進される予定だったのです。多治見の商人たちはすでに大都市名古屋に繋がる新しい鉄道を使い、商品を運び始めていました。ですので、多治見商人たちは結束し、土岐郡製造業者たちとの売買契約済の商品を破約してしまいました。

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多治見、西ヶ原遊郭の遊女たちと男性労働者。
当時は現在とはずいぶん違う時代でした。町開発事業の一環として、多治見町(当時は町でした。)は、地元の抗議活動にも関わらず、1889年に西ヶ原遊郭を建設しました。そこの客層は当然ながら町の中心部の裕福な商人たちでした(2)。そのような贅沢な生活をしている者もいる多治見商人と土岐郡製造業者との間に緊張が高まるのは当然の結果でしょう。多治見商人たち美濃陶磁業組合は今後一切土岐郡から買入れしないとしました。それに対抗し、土岐郡製造業者たちは多治見駅前に「陶磁器製造元 700余同盟販売所美濃窯元共同株式会社」を開店して、多治見商人には一品たりとも売らないようにしました。この対立は激しく、そのせいで陶器の取引はほぼなくなり、その周辺産業もほとんど休業となりました。そして西ヶ原遊郭は最も打撃を受けた産業の一つでした。その遊郭は東濃最大規模であったようです。

そこで陶器商の加藤助三郎が仲介に入り、ようやく和解しました。そして今再び、陶祖が表舞台に担ぎ上げられることになるのです。彼らの和解の印として、多治見平野町に陶祖を祀る記念碑を建立しました。

現在でも各地区の陶磁器組合は、毎年各陶祖の記念碑の前で陶祖祭を行っています。平野町の陶祖碑については、1901年6月新しく開業した多治見駅に、仙台から巨大な石が列車で運ばれてきました。それは台車に乗せられ、大勢の町の人々が台車の綱を引っ張っていったそうです。そして急な坂を登って平野公園まで運ばれ、それが現在も美濃陶祖碑として町を見守っています。この碑の碑文は、日本でも最高の芸術家、石工、漢学者、書道家が協力して作成しました。

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日本の陶磁器業界の功労者の5代西浦圓治、美濃陶磁器同業組合の副会長を務めた。
1901年10月に美濃陶磁器同業組合が設立され、日本の陶磁器業界の功労者である西浦圓治が組合副会長に任命されました。
それから3年後の1906年11月30日、多治見美濃陶祖碑の建碑式が盛大に行われました。町中が祝賀ムードに湧き、餅投げ、花火、芸妓の踊りなど行われました。また、少し前に電気の供給が始まり、その日、日が暮れた頃、公園は電飾で煌々と照らされたそうです。町の人々は遠くからでも見えるこの光を厳かな気持ちで見ていたことでしょう。

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この多治見まつりの写真に写っている女性たちは、伝統的な手古舞を踊る弥生連の踊り手たちです。
陶祖の精神は今も生き続けています。その焼物様式は、昭和初期に人々から強い関心を注がれ復活し、海外にも広がりました。毎年、陶祖碑で彼の名前が讃えられます。この祭典に伴い、大規模な陶器まつりも開催されています。今日、それは全国から何万人もの人々が訪れるイベントとなっています。このすべての始まりは、一人の権力を持った男が、紙にサインし(信長の朱印状)、それを特に才能のある陶工に与えたことで、ここ美濃の地で窯を開くことができたことによります。
​
しかし、解決すべき謎はまだまだあります。景光が美濃陶祖として祀られてから、美濃焼の歴史には多くの発見がありました。彼は最高の開拓者だったのか、それとも最初の開拓者だったのでしょうか?それとも彼はたまたま歴史的記録に名前が残っていたのでしょうか?美濃には、景光よりもずっと前に、茶道の要素として初めて取り入れられた「わびさび」の思想に影響を受けた人物がいたことがわかっています。それはまさに武士たちが賞賛した焼物様式でした。ここ多治見いた陶工によって「白天目」を作られてたことが判明しています。明治時代の陶磁器商人や陶磁器製造者たちは、勘違いをして陶祖を景光にしたのでしょうか?もし本当の陶祖が違う人だとしたら、その霊はまだ私たちの側にいるのでしょうか?

もしそうだとしたら、いつかその霊が本当のことを私たちに教えてくれるかもしれませんね。

notes

  1. Article: 西村克也, 桃山茶陶の格別の美しさの秘密   Scroll back to text
  2. 多治見の赤線地帯は、世紀初頭の不況の影響を受けてスタートしたものの、1920年代半ばには商売繁盛の時代を迎えていた。最盛期には100人ほどの遊女が活躍していたという。日本の他の地域と同じような芸者街の生活であれば、恋人同士や三角関係の結婚生活など、さまざまなドラマが展開されたに違いない。裕福な顧客やパトロンもいれば、そうでない人もいて、芸者屋の主人に信用を求めたり、支払いができなかったりしたはずである。私が聞いたことのある、しかし明かせない話は、その方向性を強く示唆している。1958年、売春防止法が制定され、赤線地帯は閉鎖された。Scroll back to text

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