お花見シーズンの熱狂の中、
落ち着いたスポットを探そう
ここ数年、日本は旅行先として人気上昇中です。多くの人がお花見シーズンの旅行を選びますが、その時期は多くの日本人が桜の開花を楽しむため外出する時期でもあります。お花見は楽しくワクワクしたイベントですが、有名なお花見スポットでは人込みも多くなります。私は春に多くの欧米人旅行グループを連れ、日本のあちこちをガイドしてきましたが、人気のあるお花見スポットで観光するのは、その人混みがまるでちょっとした戦争のようでした。
お花見シーズン中のガイドの仕事に関しては、数えきれないほどの苦労がありました。ある時、私は京都で渋滞に巻き込まれ、観光バスから電話で頑固な僧侶と交渉するハメになってしまいました。有名な寺院の庭園を訪れることになっていたのですが、それには寺院での全訪問者参加必須の説教の拝聴が条件でした。寺院側が訪問日と時間を割り当て、訪問時間に門は正確に開き、たった数分開いている内に入らなければいけません。それに一人でも遅れたグループは断られ、例外は認められないそうです。
その寺院とその有名な庭園への訪問は我々のツアーのハイライトの一つでした。私がガイドしているグループの人の多くが特にその寺院の庭園見学を目的に参加してしていました。けれども私たちは渋滞に巻き込まれてしまい、どうにもならない状態でした。私たちは他の旅行者によって行く手を阻まれているように感じました。時間どおりに着きそうになく、電話の向こう側の僧侶は規則は規則ですと厳しく言っていました。もちろん私はツアーガイドとして、このグループの訪問が断られてしまったら責任問題になってしまうので焦っていました。
簡単に言えば日本の人気スポットの花見シーズンとはこんなものです。もしあなたが本当のお花見体験をお望みであれば、人が多い場所は避けることをお勧めします。
今日では有名なお花見スポットは凄まじく混雑しており、そこに落ち着きと静けさを見出すことはほぼ不可能です。30年近く東京で暮らしていた時、私は毎年桜の開花を見ましたが、それは時には雨に洗い流され、時にはわずか数日の晴れた日の間咲いただけで、道にピンクの雪のように散ってしまったこともありました。お天気の神さまが微笑んだ時には、いつもどこかの木の下のちょうどいい場所の取り合いになりました。多くの人達が花見宴会の場所を求め競っているためです。企業は仕事が終わった後にやる宴会場所を確保するため、若い事務員や営業マンを遣って、朝から良い場所で場所取りをさせていました。
トリップアドバイザーの口コミにはこんな投稿も寄せられています。
私は今京都にいます。桜の花はきれいですが、人込みがひどいです。銀閣寺に行き、その後哲学の道を「歩いた」のですが、そこには禅のかけらも感じられませんでした。春休みのディズニーワールドよりもひどい行例です!その後清水寺と高台寺のライトアップを見に行きました。どちらも豪華だったのですが、またしても・・・絶え間ない人の列の中を歩いていては、これらの場所を真に体験できるとは私には思えません。
お花見シーズン中のガイドの仕事に本当に大変でした。一年のうちでとても素敵な時期に、私は幾度となく人込みをかいくぐりながらグループをガイドしてきました。ガイドの仕事は心から疲れてしまい、年々人混みの度合いがひどくなっているように感じました。例えば、京都は本当にどうかしています。金閣寺をちょうどいい角度から写真に撮るにも、長い行列ができています。有名な竜安寺の石庭では、禅の教えにのっとり、自分自身を知るために沈思黙考し無の境地となろうと思っているのに、たくさんの修学旅行生やそれに同行するガイドがうるさいアナウンスをしていて、我慢できないような状況です。
それでも、もし日本を訪れたことがないのならば、いくつか有名なお花見スポットを見に行くことをお勧めします。やはりそれは素晴らしいところだからです。しかし同時に、本物のお花見体験ができることを期待しないでください。
最初の旅行者がやってくる以前、遥か昔にこの国の貴族たちがかって楽しんでいた詩的で優雅な気持ちで臨めるお花見体験はそこにはありません。それを経験するためには、私は人の多い場所を避けることをお勧めします。そうすることによって、旅行者の受け入れに対していい感情のみを持っている人達、つまりたくさんの観光客に疲れ切っていない人達からのおもてなしを受けることもできるでしょう。日本の田舎に旅行に来てください。もし多治見に来ようと思ったら、このサイトはここで何を体験できるかなど、ちょっとした手助けになりますよ。
多治見に足を延ばしてみてはどうででしょう。地方ならではのおもてなしがあなたを待っています。
年月が経つにつれ、私は一般的な旅行者がすべき経験の全てはお花見に集約されるのではないかと思い始めました。お花見はその伝統がはじまった8世紀には今とは根本的に違うものだったでしょう。それはおそらく貴族階級のごく限られた者たちと宮廷の人々の間の慣習だったと思われます。当時の貴族たちは桜の花の束の間の美しさを愛でる歌を詠んだりして集まったのでしょう。そしてそれは日本の多くの初期の文化と同じく、中国から輸入されたものでした。藤、桃の花、そしてもちろん桜の花などは習字、絵画、生け花の作品に刺激を与えました。もしかすると、桜の下の静かな場所を見つけることができさえすれば、私たち外国人にも仏教やその他の東洋の世界観の中心をなす無常観が体得できるかもしれません。
多治見に足を延ばして、こんな木を見つけてみませんか?多治見にはたくさんの木があり、その下のスペースもたくさん空いています。
多治見に足を延ばして、こんな木を見つけてみませんか?多治見にはたくさんの木があり、その下のスペースもたくさん空いています。
短時間で巡れる
多治見のお花見ツアー
上のギャラリーにある写真を見てみてください。私たちは昨年のお花見シーズンに多治見をまわり、お花見に最適ないくつかのスポットを写真に収めてきました。潮見の森は山の中にある大きな公園です。一年のうちこの季節に潮見公園までドライブしながら登っていくのはとても素敵です。道路の傍にはずっと桜の木が並んでいるのですから。私たちは360度の写真を撮るために立ち止まりました(このページの上部にあるVRギャラリーで見ることができます)。そこに立つのはとても贅沢に感じられ、周囲にはその静けさを邪魔するものがほとんど一つもありませんでした。突然道路のそばの低いところから笑い声が聞こえたのです。近づいてみると、何人かのおばあさん達がそこでピクニックを楽しんでいるようでした。侍の時代、有名な武将たちは京都の金閣寺や銀閣寺にあるような、お花見のための自分専用の庭園を持っていたことでしょう。そこで彼らは茶室や木の下に座り、静かに景色を楽しんだのでしょう。現代では、このおばあさん達たちがそれと同じ贅沢を満喫していました。ここでは桜の木々が素晴らしいばかりではなく、植物園もあり、木蓮やこの地域に生殖する様々な種類の植物もみられ、歩き回ったり公園を探索するにも最適な場所でした(VRギャラリーでその写真を見ることができます)。
多治見のまちなかにももちろん桜は咲いていますよ。小名田町近辺で撮った写真も掲載しました。この写真が撮影された小川のすぐ隣には、日本のレオナルド・ダ・ヴィンチとでも言うべき空海という高名な僧侶を祀った小さな神社があり、そこについては私が以前アップしたエッセイで詳しく書いています。
市街中心部の近くにある陶彩の径の写真も見られます。ここはかつては小さな機関車が笠原から多治見駅まで陶磁器を運んで走っていました。蒸気機関車には大きなパワーがなかったようで、重い荷を積んでいると、雨の日には滑って後ろに下がってしまったと聞きました。
もちろん、このページの最初の部分に写真が載っている虎渓公園やその他の写真もあります。私たちはあなたを喜んでご案内いたします。
多治見のお花見を楽しむには?
本物の日本を探訪したいと考える人達に対し日本の田舎がぴったりだということに、沢山の人が気づきはじめています。他の国々と同様、行き過ぎた観光はお金儲けになってしまいます。しかし、観光未開発の地域では外国人旅行者が必要とするサービスが足りていないという問題があります。最も大変なのは、英語での情報がほとんどないこと(このサイトで我々が取り組んでいる問題です)、そして英語を話せるガイドなどの旅行サービスの基盤が欠けていることです。これもまた、私たちが変えたいと思っているところです。多治見への旅行についてご質問があれば、お気軽にお問合せください。どんな質問に対しても喜んでお答えします。
ホテルの予約など、旅行の手配もご相談ください。ここ多治見の田園地帯での本物の体験を楽しめるよう、個人旅行の計画も提案します。
もちろん、ここには桜以上に多くの体験が待っています。典型的な京都の食事よりも個性に富んでいる地元料理を試してください。たとえばここの鰻料理のずば抜けて美味しいですよ。いくつかある陶芸教室に挑戦してみてください。美濃焼は全国的に有名で、多治見では作陶体験ができる施設もたくさんあります。桜の木の下でのピクニックに多治見でできた日本酒の三千盛を持っていくのも楽しいアイデアですね。そういう時は自分で徳利を作ってお酒を詰めて行ったらどうでしょう?最後に、もう一つ多治見が旅行に向いている部分を少し・・・多治見は旅行者にとって魅力的な岐阜近辺の他の地域へのアクセスにもとても便利な場所に位置しているのですよ。その他の地域とは日本で一番古い状態が保存されている城がある犬山や、夏に大きな踊りのお祭りが開かれる小さな歴史的な町、郡上八幡、その他多くの有名な場所へ多治見から行くことができます。
ああ、ところで、この話の最初の方で出てきたあの京都の頑固な僧侶のことを覚えていますか?実は彼は私のグループを中に入れてくれたのです。15分遅れてきたにも関わらず、そして遅刻してきた者を受け入れないという規則にも関わらず、ツアー参加者達は結局庭園を見ることができたのです。でもこのことは誰にも言わないでくださいね。例外のない規則のはずですから。