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美濃焼物語

Part 1 - その始まり

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美濃焼
桃山時代の陶器


美濃焼園を営む渡辺さんは、美濃焼の中でも
​桃山陶の素晴らしい焼き物について
たくさん教えてくれました。
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抹茶茶碗の奥底に潜むお話

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志野焼の抹茶茶碗 安土桃山時代(16~17世紀)
このサイトのテーマは「多治見 - 一見普通に見える日本の町」です。 私が初めてこの町に訪れた時、すべてはとても普通で、ありきたりな感じを受けました。 たくさんある日本の他の町と同じようだなと。 地元の陶器の世界を紹介してくれた人達に会うまでは、この町では陶器がどんなに重要なのか分かりませんでした。

多治見の独特な部分は、この町の基盤が全て陶磁器に密に関連したものだという事です。 陶磁器の関してあらゆるジャンルの作り手たち、ショップ、展示会やコンテスト、ギャラリー、美術館、ワークショップ、作陶コース、学校などがあります。 全国各地から陶磁器を求めてショップや展示会に訪れたり、陶磁器に関する教育を受けたり、陶芸家としてのキャリアをスタートさせたりするために全国からたくさんの人々が集まってきます。

この町はまた、創造の自由度が高いのです。ここは陶芸に関しては何でもありという意味で、クリエーターの天国です。作りたいものを好きに作ることができ、そのために必要なすべてが揃い、どんな形の芸術表現も受け入れてくれる基盤があります。私が駅から一歩踏み出したとき、こういうことは私には全く分かりませんでした。私が目にしたのは、一見普通の日本の街並みでした。

多治見や美濃地方のローカルな情報は英語ではあまりありません。 美濃はこの辺り一帯の古い呼び名であり、美濃焼はこの辺りで作られた陶器の名前です。 私は多治見の文化や歴史を知らないだけでなく、陶器がいかに面白のかまだ知りませんでした。 とにかくあなたは古い茶碗から感動することなんてあります?

そう、暗い、暗い茶碗の底にはストーリーが潜んでいます。 美濃焼のストーリーには、あなたが想像していたより多くのドラマ、政治的陰謀、血、死、執念があります。美濃焼や多治見について私が紹介するシリーズのこのパート1では、この美しく完成した文化や、政治的な権力闘争がいかにして生じたかを探索していきます。
​

黄金時代のかけら

Mino ware dating from the Momoyama age
美濃焼の黄金時代だった桃山時代の陶片
「私は若い頃に陶片をいくつか手に入れましたが、私は興味がありませんでした。私はかまうものかとゴミ箱に入れたのですが、私にそれを売った人はしつこく、いつか役に立つよと言いました 。」
Picture
美濃焼園を営む渡辺さん

焼き物に情熱を燃やすのはクリエーターだけではありません。その愛好家たちも燃えてしまうことがあります。多治見で美濃焼園という陶磁器のお店を営む渡辺さんは、展示されている陶器について情熱を込めてたくさん話してくれました。彼はすでに1時間ほどお店の中を歩きながら案内し、次々と陶器を手に取り、陶器についてはズブの素人の私に美濃焼とは何かと説明してくれました。多治見は、大昔からの焼き物の伝統をもつ岐阜県美濃地方の真ん中にあります。美濃焼は、この町の人々の誇りとなっています。

次にショップの隣にある展示室、美濃工芸館に案内されましたが、ここは半地下になっていて渡辺さん好みの安土桃山時代の美濃焼が展示されています。渡辺さんはまず、この時代の古代の陶器の破片をコレクションを飾ってある大きなガラスの箱のところで足を停め、説明してくれました。何世紀も前に無くなってしまった窯跡で作られた素晴らしい焼き物のお皿や茶碗のかけらが、今ここに展示されていると思うととても面白く感じました。

Picture of ancient potters in Kasahara, Tajimi, Japan
かつての時代の窯焼職人たちを描いた壁画 多治見市笠原中央公民館

これらの焼き物を作ったのはどんな人たちだったのでしょう? 彼らは熱さや長時間労働に耐えて汗を流しながら半裸で一生懸命、何日も何週間も、山の上にある窯に薪をくべ続ける勤勉な人たちでした。彼らが自分たちの作った窯元といっしょに消え去ってしまった今、 私は彼らについてもっと掘り下げてよく調べる必要があります。彼らは、古くから焼き物の国である美濃の男たちで、なかには近隣の戦場から逃げてきて、この地に腰を据えて製作に励んだ人たちもいました。
​
Picture
日本の古い国割のひとつ美濃国は、現在の岐阜県南部を網羅していました。
By Ash_Crow - Own work, based on Image:Provinces of Japan.svg, CC BY 2.5, Link

泥を焼いて石に


日本の焼き物の歴史は、縄文時代(従来は紀元前1万4000年~300年頃とされてきましたが、最近になって紀元前1000年までと修正されました)まで遡ります。日本に狩猟採集民が居住していた時代です。 縄文土器は、日本で最も古く、世界でも最も古い焼き物とも言われています。(諸説ありますが。)
​
Picture
縄文時代の縄文式土器 紀元前5000年~4000年
By Chris 73 / Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0, Link
「私の仕事を見て『スムーズな道のりだ』と言える人がいたらとんでもないことだ。私は固形の燃料と手間のかかる道具を駆使して、泥を焼いて石にしようとしているのだ。〔……〕 窯へ入る仕事は、薪焚きの要求してくるものに立ち向かわなければならない。つまり、頭を使う作業でもあり、火とうまくやっていく作業でもあるということだ。
​
『Wood-fired Ceramics: Contemporary Practices(薪窯で焼く陶器:現代のやり方)』より

中国や朝鮮から窯の技術が導入されたことで、日本には新たな創造的な転機が訪れました。焼き物は何千年もかけて、初期の縄文式土器から、より進んだ形態の陶器へと発展してきました。新しいデザインの登場は、新しい技術(すなわち、どのような窯が使われたか)を手に入れたことに関係します。

有史以前には、人々は単に土器を直接地面の上で焼いていました。時を経て窯が導入され、それが発達すると、新たな形態の焼き物が作れるようになりました。たとえば、釉薬で艶を出すには高温が必要ですが、窯がその高温を可能にし、それによって新たな表現形態が可能になりました。また、より高い温度により、絵付けでの装飾もできるようになりました。

Anagama kiln
穴窯(1房タイプ)
  1. 1: 焚口 幅約75cm
  2. 2: 燃焼室。
  3. 3: けい土で出来た階段状の床。未焼成の器がここに置かれる。
  4. 4: ダンパーが2つ、1つは火の調節のため、もうひとつは煙道をぴったり閉じるためのもの。
  5. 5: 煙道。
  6. 6: 高さ3mの煙突。
  7. 7: 耐火セメントでできた鋳物アーチ(キャスタブル)
「〔穴窯に私たちが魅了されるのは、〕天然の色と溶け合いながらそれをさらに高めるその自然な色合いは、ほかのどんな焼成方法でも出せないからだ。
​
エステル・マーティンとブルース・マーティン『
Wood-fired Ceramics: Contemporary Practices(薪窯で焼く陶器:現代のやり方)』より

多治見やその周辺で山歩きをすると、昔の登窯が残っていて、地面には捨てられた陶器を見つけたりします。傾斜した山腹に窯を作ることで、内部の熱(最高1400度)は、筒形の室内の一部分だけでなく、すべてを熱しながら上へと移動します。後に、ひとつの部屋がいくつかの小さな部屋に分かれるようになりました。それにより、上のほうの器の焼成には、燃料を追加するだけで、器や壁や空気を最高温度までもっていくことができるようになりました。それは仕事量を減らしただけでなく、薪の供給にとっても、大きな利点となりました。大量な薪の消費によって、生産地周辺の森林は破壊され、森林が蘇るまでの数十年の間、窯をよそへ移さなければならなかったそうです。
​
Picture of multiple chamber climbing kiln in Shiragaki, Japan
信楽の連房式登り窯。窯は江戸時代(1603年~1868年)に遡る。
By At by At - , CC 表示-継承 3.0, Link

火で絵を描く

多治見の幸兵衛窯の半地上式穴窯(登り窯)は、桃山時代(1568年~1615年)の方法で設計されました。ここは1年に1度だけ火が入れられます(この動画は2017年の火入れ時に撮影したものです)。日本の赤松の薪が使われ、灰が焼き物を覆うとそれが「天然の釉薬」となります。これにより、志野焼のような地元の伝統的な焼き物の製造が可能になります。
​
これらの技術革新や新たな創造の可能性が、より洗練された器、そしてそれは不規則で非直線的な自然の形とラインを取り入れた日本風情のある器の制作を可能にしました。そして今では世界的に有名な、日本の伝統的な焼き物の誕生へとつながったのです。

燃やした薪による1400度にも到達する激しい熱のなかで、灰が飛び交い、炭酸アンモニウムが生成され、焼成中に木灰が作品に降りかかります。焼成は何日も、時には何週間もかかります。窯のなかでは、粘土素地の上で炎や灰や鉱物が踊り、自然の灰釉が施されます。

作品の最終的な出来上がりにはさまざまな要因があります。それは火の近いところか遠いところに置いたのか?隣合う作品とどれくらい近くに置かれて焼かれたのか?灰がどのように作品に定着たのか? 火の中にどれくらい置いてあったのか? 酸化がどのように作用したのか? 炎がどのように廻ったのか?窯に火を入れるとき、陶芸家はこういったこと、もしくはそれ以上の事を心に留めなければいけません。言うなれば、頭のなかで各作品に、火による仕上げを施さなければならないということです。そして、焼成後、同じくらい長い冷ますための時間が、艶消し、半艶消しまたは光沢のある表面を有するかどうか、その着色に影響を与えます。
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Picture 檜図 (Cypress Tree) by Kano Eitoku
『檜図屏風』1590年頃 狩野永徳の作とされる
"檜図 (Cypress Tree)", cirka 1590. Attributed to Kanō Eitoku [Public domain], via Wikimedia Commons

何千年も続く製作技術と窯の技術の開発は、16〜17世紀の約40年にわたる日本の陶器の黄金時代、安土桃山時代の礎を築いたのです。 この時代に美濃焼は、私の第2の故郷と言える多治見を含む古い陶器生産の中心地、美濃で花開いたのです。
​

瀬戸の陶工、安住の地、美濃へ

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今日では陶芸家は、作品の焼き上がりが予測しやすいので、伝統的な薪窯よりガスや電気窯を選ぶ人が多いようです。それでも、伝統的なやり方で作られた焼き物への熱烈な支持は今でもあります。 私は桃山陶の愛好家で売り手である渡辺さんとのインタビューでそれを強く感じました。

「あなたがもう10年早くここへいらしていたらと思います。今日では桃山陶の本質を理解できる人はほとんどいません。」と彼は言いました。

「作り手に関してははどうですか?」と私は尋ねました。

「彼らは頑張っていますが、昔の達人たちが作ったような作品を作れる陶工たちがもういないのです。」と渡辺さんはためらわずに答えました。

「なぜそうなったのですか?」

「そうですね、桃山期には、人々は本物を欲しがり、焼き物師たちはそれを届けなければなりませんでした。これは刀にたとえることができます。桃山時代には、日本のあちこちで戦さがしょっちゅうありました。それはそれは危険な時代でした。ですから本当に切れ味がよく、刃こぼれしない刀が必要でした。それに命がかかっていたのです。だからこそ桃山時代の刀は完璧なのです。」


その後、何百年も平和が続いた江戸時代には、刀職人は武士に、武器ではなく、力の象徴としての刀を納めたのだと彼は説明します。渡辺さんの意見では、それはまた、刀がその本質を失ったということでした。本質はもはや必要とされず、ただ美しい形だけが求められました。同じことが焼き物にも言えます。桃山時代の焼き物だけが、美濃焼の佇まいと共にその本質を現しているのです。

では、そんな高い要求をしたのはどんな人々だったのでしょう?美しいだけでなく、実際に役立つ刀を必要とした武士たちだったのでしょうか?
​
Picture of Oda Nobunaga at the Honno-ji temple in Kyoto
力をもつ武将であるとともに、素人ながら強く茶を愛した織田信長は、あらゆる努力を払って周囲に茶道の達人を集めました。この絵は、信長が1582年6月に京都の本能寺で自死する前の瞬間をひとりの絵師が表現したものです。
歴史を通して、良質の焼き物は常に贅沢品でした。焼き物は、長く大変な、リスクの伴う制作工程を必要とします。そのように高価で価値のあるものは必然的に、裕福で力をもつ人々の関心を引き付けます。日本では、茶事のために、焼き物が上流階級の社会生活で重要な役割を果たすようになりました。そして比較的短い安土桃山期に、茶事が政治的な生活と密接に結びつくようになりました。

桃山時代は日本の戦国時代末期で、内乱と破壊が何年も続きました。それは危険な時代で、有力な武将たちの間の権力闘争の時代でした。この美濃焼物語のなかで重要な役割を果たす人物たちのうちの何人かも、陰惨で恐ろしい死に方をしました。

その中のひとりが、全国統一に助力した武将たちのなかでも三大武将のひとり目、織田信長です。彼は大きな成功を収めた野心的な武士だったのみならず、熱心に茶を擁護した茶人で、あらゆる努力を払って周囲に茶の達人を集めました。茶道のような静謐な活動と、軍事的な野心や暴力とを結びつけるのは難しいかも知れません。しかし、茶釜や茶碗のように茶事に欠かせない陶器が、とても精緻な作りで高価なステータスシンボルだったことを考えれば、それらが政治的な権力闘争で説得の道具として使われたと見るのも、あながち荒唐無稽とは言えません。実際に信長は焼き物をそのように使いました。素朴な抹茶茶碗が説得の道具となり、茶室が陰謀を企てる場所となりました。

哀れな陶工たちが戦場となった瀬戸から近隣の美濃へと逃げたのは、背景にこのような戦さや絶えずつきまとう危険があったからでした。彼らは加藤景光(1513年~1585年)のような名工たちとともに美濃へ到着しました。景光は1574年に美濃へ居を移し、いくつかの陶芸様式をもたらしましたが、それが日本の陶芸界でも最上質なものと評価されるようになります。

そして景光にに個人的に目をかけていたのは、他でもない織田信長でした。
​
END OF PART ONE

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About the Mino Ware Styles

Throughout the centuries, four styles of Mino were developed that differ from each other in appearance. These have strong connections to the tea ceremony:
  1. Ki-Seto ware: Yellow is the predominant colour.
  2. Setoguro ware: Black is the predominant colour.
  3. Shino ware: Style is often grey with autumn grasses in white as a prominent theme. This result is achieved by incising through a slip of iron oxide and covered with feldspar glaze. In the oven, the fire would bring out variations in colour through the uneven glaze.
  4. ​Oribe ware: Green and black are the predominant colours.

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